悩んでないでキャッチボールの激安をチェック
キャッチボールをうまく使う、たったひとつの冴えたやりかた
※苦手分野、地雷があるかたは一読ください。
8月13日…【1】~【3】(3話)
8月14日…【4】~【8】(5話)
8月15日…【9】~【13】(5話)
の予定で、アップします。
ただ、14日分が、もしかしたらNGワードで消されるかなぁ?と懸念しています。
1日で13話アップはご迷惑になりそうなので分けました。
5話でも、通知がうるさかったらすみません。
【1】◇天界に咲く花◇
悲しき思ひ出 曼珠沙華
毒花 死人花 地獄花
すべてをあきらめ投げ出して
狐の松明 引っ提げて
また会ふ日までを楽しみに
天界に咲く 曼珠沙華
想ふはあなた ただひとり
うちには、ボクが産まれた時から“雅紀くん”と呼ばれている、お兄ちゃんが暮らしていた。
キャッチボールをしてくれたり、漫画を貸してくれたりする、優しいお兄ちゃん。
ひいおじいちゃんの話では、お兄ちゃんは小さい頃から身体が弱くて、それで空気がいいからって、田舎にある我が家、いわゆる“本家”で暮らしているんだって。
「雅紀ー?支度できたー?」
玄関のほうから、お兄ちゃんの友達の翔くんの声が聞こえて、、『今、いくー!』って鼻にかかるお兄ちゃんの返事のあと、パタパタと縁側に足音が近付いてきた。
いつも、この季節になると、翔くんとお兄ちゃんは、ちょっと行ったところの山小屋に泊りがけで行くんだ。
「おじいちゃま・・・。
行って参ります。
おじいちゃまの好きな小茄子のお漬物を買ってきますね。」
「土産なんて気にしないで、のんびりしてきなさい。」
ひいおじいちゃんは、将棋の駒を、ピシッといい音で置くと、ふふんっと嬉しそうに笑って髭を撫でる。
お兄ちゃんも、ふふって笑って、また『行って参ります』と小さく頭を下げて玄関に向かった。
向こうから、新しい靴がどうのこうのって二人の声が聞こえた後、カラカラカラって玄関の閉まる音がして、ボクはひいおじいちゃんに、ずっと気になることを聞いてみた。
「ねぇ、ひーじいちゃん?
あの二人って友達なの?」
ボクは次の一手を打ってから切り出すことにした。
ひいおじいちゃんに考える時間を与えない作戦でもあったけど、なんとなく“聞いてはいけないこと”という気もしていたから。
「ふふぅん、、そうきたか。」
ひいおじいちゃんは髭を撫でながら、『どうして、そんなことを聞く?見てわからんのか?』と笑う。
「だってさ?
翔くんとお兄ちゃんは、仲、、いいでしょ?
あのね?
言ってもいいのかなぁ?
たまにね、恋人同士みたいって思うの。
でも、男と男でしょ?
やっぱり、それは違うのかなぁって思うし。」
何度か見たことがある。
柴犬のロクを散歩に連れて行った時、翔くんとお兄ちゃんが土手を散歩をしてたんだ。
楽しそうに歩く二人は、手を繋いでた。
最初に見たときは、お兄ちゃんの具合がよくないからだと思っていたんだけど。
何回か見るうちに、なんか違うのかな?と思うようになった。
だってさ?
繋いだ手を、ぶんぶん振ったりしててさ?
具合がよくないから、繋いでるようには見えなかったんだ。
「男が男を好きになったら、おかしいと思うのか?」
「ううんっ!
違う!そんなんじゃない!」
そんなんじゃなくて、もし恋人だったら素敵だなって。
二人の世界が、羨ましくなるぐらい素敵だって思ったんだ。
ボクが、そう正直な気持ちを言ったら、ひいおじいちゃんは、昔話を教えてくれたんだ。
「今の若い人は、自由にしたらいい。
昔は、恋愛すら自由にならんかった。
それに差別も酷かったからのぅ。
雅紀は、自由に暮らしたらいいんじゃ。」
…つづく…
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